つつあるディルトの视线が先刻から捉えている『物』は――にじり寄ってくる牛头の魔獣の全容ではなく――。
「く……ッ！！くううう……ッ！！」
その下半身の中心で大きく上下に揺れながら、高々と天を仰いだ――――黒光りする、グロテスクな形状の阴茎だったのだ――。
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「く、くそおォ……！！やめ、ろ……！！来る…なああァ……ッ！！」
自らの张り付けられた台座に向けて、ゆっくりとにじり寄ってくるおぞましい巨体を睨みつつ、ディルトは震える语尾で叫び上げた。
「ンモオオオオ……！！」
「く……う…ッ！」
腹に响く獣声を濡れた肌上に受け止めながら、ディルトは今一度、眼前に迫りくる絶望的な现実に抗おうと拘束された四肢を力任せに振り乱した。
「モオオオオ……！！」
「く…ッ…！！くう、う……ッ！！」
细めた视线で獣声を张り上げる巨体を见やれば、そこでは浓緑色の体毛に覆われた肢体がこちらへ向かって近づいてくる。
一歩、一歩――。
进むごとに低い地鸣りのような足音を响かせながら歩くオーガの股间では――――先刻ディルトの视线が捉えた通り、赤黒い阴茎が天を指すようにしてそびえ勃ち、巨体の挙动に合わせて揺れ动く。
「ッ――！！」
筋肉の盛り上がった逞しい肉体に见合った、太く、长大な勃起した阴茎を前にして、七日间にもわたりテールと魔族によって肛门を弄ばれたディルトが导き出せる答えなど、たった一つ以外にはありえなかった。
「モオオオオ……！！」
「く、く、そ……ッ！！」
尚も低い吼え声と共に接近してくるオーガを前に、ディルトはもうどうする事もできずに拳を握る。
重ね重ね、反复するかのように缲り返し……七日间の非道な蹂躙を受け続けた肛门は、否が応にもディルトに耻ずべきあの感覚を思い出させる。
弾力のある太い触手に、武骨で长い魔族の指――それらを使って、几度も几度もかき回された内壁は、目の前で揺れる巨大な肉の淫棒に、寄せたくはない期待を寄せて――。
「く……！くう……ッ！！」
我知らず热く热を帯び始めてしまった肉体に耻を感じて、ディルトが口唇を噛みながら视线を伏せると、ひどく近い场所でオーガの足音が鸣り响いた。
「く、く…そ……！！くそ、おォ……！！」
高々と阴茎を奋い勃たせるオーガの前で、尻の穴を差し出すように全身を拘束されているこの现状、これはもう一刻の犹予もゆとりもない――！
决意したディルトは、己の秘部が観衆席に晒される事もいとわずに、満身をよじって、力の限りに台座の拘束から脱け出そうと跃起になった。
だが、顽丈な鉄枷と自分の腕ほどもある太い锁、そして台座に刻まれた强力な封印纹章と首元のルーン文字によって、ありとあらゆる自由を剥夺された肉体は、ディルトがいくら必死に力を込めても、身をひねっても、その全身全霊の抵抗に応えようとはしなかったのだ。
「く、くそ……！！くそ……ッ！！や、やめろ……！！やめ……ろォォ……！！」
力の入らぬ両手を握って、唯一自由になる头を振ると、ズシン、と低い足音が台座の近くで鸣り渡る。
「く……！くう、うう……！！」
己の拘束された台座ごと揺すぶるような、强大な足音に身を强张らせて、ディルトが汗にまみれて冷えた背中を强く、大きく、捩った――その直後だった。
ズシン……！！
「ッ――！！！！」
今まで断続的に响いていた巨大で乾いた足音が――――不意に、断ち切られたように消失したのだ――。